王様の耳はロバの耳
あれはたぶん10年くらい前だ。今でも印象に残っている。会社の研修で講師が言った。「役職があがるにつれ孤独になると思いますが、その孤独を乗り越えて行ってください。」
そう、人は年齢を重ねるにつれ、役職があがるにつれ、孤独にならざるを得ない。大人になるってそういうことなのだ。耐えなければならないこと、非情にならなければならない時がある。
と、頭で理解していても、気持ちがついていかないことがある。特に「人」に関わることで決断しなければならない時は、その非情さが極めてつらく感じる。結局、自分では何の権限もなく、でもそれを伝えないとならない、「反対だ」と意見は言えても、それは意見に過ぎない。
確かに長い目で見ればもしかしたら、その「決断」は正しいのかもしれない。ただ、「駒」のように人を動かすことが時々耐えられない。ただ、そんな風に考える自分自身が甘いと言われれば、その通りなのだろう。大義の前には小義は捨てなければならない。だが、それを受け止められない弱い自分がいて、消化しきれないのだ。
本屋にはいろいろな本があり、「品格」について語ってくれていたり、「いい人」になるための本やら、「前向きに生きるための本」があったりする。その本を否定するつもりは無いが、あまりにも「正論」を書かれると、「それで?」と言いたくなってしまう。そうだよ、そりゃあそうさ。いつも難しい顔をせずに明るい顔していた方がいいに決まっているさ。でも、そんな気持ちになれないときはどうすればいいんだよ!
きっと、人は浮かぶためには、落ちないとならないのだ。落ちて、落ちて、落ちきってしまえば、浮かぶしかないのだろう。
誰かに愚痴を言いたいけれど、それはある意味甘えでしかない。しかし、耐えられないから、このようにブログに記載して、自分を慰めるわけだ。「王様の耳はロバの耳」ってね。
そういえば、本屋で「赤毛のアン」生誕100年って飾っていたな。ふ~ん、そうなんだ。あれは100年前なんだ。驚きだ。30年前~25年前にシリーズを全部読んだが、感覚的にはそんな古いとは思わなかった。でも、最後のシリーズでは第一次世界大戦に関わる記載もあるから、そうなんだなあ。