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2008年7月13日 (日)

椿山課長

 岐阜城に行ってみました。斎藤道三、織田信長の居城です。復元だったから、中は全然現代の建物。どうせなら木で全部復元して欲しかったなあ。お金かかるんだろうね。でも、上から濃尾平野を見渡す風景には感慨深いものがありました。今はビルとかコンクリートの建物やスタジアムが見えるけれど、500年位前は見渡す限り平原で、長屋とかがぱらぱらとあったくらいなんだろうなあと。重ね合わせて見ようとしたけれど、なかなかうまくいかなかった。知らないからなあ、当時の風景。そして山の緑に思わず吸い込まれそうになるのだった。

 さて、浅田次郎の「椿山課長の七日間」。飛行機で読もうと思って、空港の本屋で買ったのです。前にもタイトルだけ見て面白そうだなと。

 椿山課長は40代で急逝します。気がつくと、役所みたいなところへ向かって歩いているんですね。なんと、そこは死者を極楽浄土へ送り込むためのお役所。立派な人生を歩んだと判定された人は、講習免除でエスカレータで極楽へ。そうではないほとんどの人は講習を受け、「反省ボタン」を押して、極楽へ行くのです。

 椿山課長は「邪淫の罪」で、講習を受けるよう言われます。「そんなばかな」、椿山課長は納得できません。そんな罪に問われるような覚えがないのです。そして、特別な理由が認められた場合にだけ許される逆送。七日間だけ現世へ戻ることとなります。生きていたときとは全然異なる姿で。

 たまたま出会った間違って殺されたやくざの親分と、小学生で車にはねられてしまった蓮と、この3人が逆送を許され、現世にもどり、それぞれの目的を果たす。

 はっきり言って、椿山課長って駄目駄目くんなのですよね。いいえ、仕事はできるというか頑張っていました。でもやくざの親分と蓮に比べると、超小市民。他人の気持ちが実はわかっていない。まあ「鈍い」ってやつですね。

 蓮はすごいです。とってもできる子。この子には泣かされます。浅田次郎に乗せられている。。。ああ、だめだ、作者の術中にはまっていると、わかっていながら、涙が出てしまいました。飛行機の中で。どうしよう。涙をなんとかこらえようと思ったら、流れてきてしまって、あわててハンカチを取り出し、でも結構面白いので止められず、読み続けていると、ますます泣けてくる。鼻水は出てくるし、私は周りにどう思われているのかしら?と思いつつ、読んでしまいました。

 この際だから仕方が無いです。作者に踊らされましょう。心が洗われること請け合いです。

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