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2008年11月 3日 (月)

ドクター・ヘリオット

 先週、母親が本をbook offに持っていくというので、じゃあ私も少し本を整理しようっと思って、50冊位のもうあまり読み返しそうもない本を一緒に持って行った。文庫は1冊10円くらいだよなあとは思っていたものの、結構ハードカバー本もあるし、ある程度そろっているから、それなりにはなるかなと思っていたら、結局1,500円くらいにしかならなかった。帯でカバーの色が変色していると駄目だってさ。古本屋さんならいいのかな。

 文庫はもう何冊あるか良くわからない。ざっと計算してみると700冊くらいかな。もう少し本格的な整理をしないと駄目だな。増殖し続けてしまう。

 今回ちょっと整理して、久々に発見したのが、ドクター・ヘリオット。獣医さんの話です。本名はアルフレッド・ワイト。ヨークシャーの架空の町ダロウビー(本当はサースク)で、共同経営者のシーグフリートと一緒に動物病院を運営する、ドクター・ヘリオットの酪農村奮闘記って感じです。

 ヨークシャーってどんなところかは実は知りませんが、広大な土地、厳しい冬、のどかな風景、マイペースで頑固な人々、草をはむ牛たち、群れをなしている羊、そしてたくさんの馬たち。生き馬の目を抜くような勝ち負けや、せわしなさには無縁です。でも、容赦ない死や、避けられない運命を容認する人々の根本的な強さが感じられる地方であります。

 だから、ドクター・ヘリオットは苦労します。理屈は通じない、新しいことは受け入れてくれない、どんな時間でも休みの日でも容赦なく呼び出される。気を使ってくれる主人もいれば、まったく考えていない人もいる。でも、皆、気の良い村の人なのです。ドクター・ヘリオットのすごいところは、それをすべて良さとして受け入れることができるのです。

 ダロウビーへの愛、ヨークシャーへの愛、そして動物への愛、人々への愛が感じられます。ドクター・ヘリオットが大学を出た当時(1930~40年代?)は、ペットという考え方はなく、獣医の仕事は牛や馬、羊が相手でした。ドクター・ヘリオットはそんな時に犬や猫を対象として獣医をしたいと願った人でした。残念ながら、世界恐慌や戦争のあおりで、全然就職はなく、見つけたのがダロウビーでの獣医のお仕事でした。もちろん、メインは牛、馬、羊です。でも、農家にはいたのです、犬たちや猫たちが。そして、都会であれば、患畜として持ち込まれるだけですが、農家の犬や猫とは患畜としてだけではなく、個性を持った犬、猫として付き合うことができるのです。 

 私のお気に入りは、「ロイ」の話です。素人獣医を自負するドノバン夫人が、素人療法を自慢し、「ヘリオット先生は犬のことはわかっていない」風なことをよく言っていました。ドクター・ヘリオットはまあ仕方がないかなと苦笑いです。ところが、ドノバン夫人の愛犬が事故で亡くなってしまいます。それまで好奇心旺盛でどこにでも顔を出して、バイタリティ豊かなドノバン夫人でしたが、いつもそばにいた愛犬がいなくなったことで、何か足りない感じがします。そんなときに、暗い小屋に閉じ込められ、ガリガリにやせたゴールデン・レトリーバーが発見されます。飼い主の怠慢は明らかでした。1年も閉じ込められ、えさも気が向いたときにしか与えられず、でもずっと人間への信頼感を失わずに黙って待っていたロイ。このままでは貰い手もないし、安楽死? 

 そこにドノバン夫人がいたのです。ヘリオット先生は、うまく誘導し、ドノバン夫人がこの犬を面倒みるように仕向けます。もちろん、ドノバン夫人はのりました。もう犬は飼わないと心に決めていたドノバン夫人ですが、今まさに愛情深い世話と献身を必要としてたロイをもらうことに決めたのでした。放置されてガリガリだし、悪臭は漂うしでしたが・・・

 ロイはもちろん、幸せなゴールデンレトリーバーに大変身します。最初の暗い、閉じ込められていた不幸から一転して、活動と光にあふれ、献身的な世話をしてもらえる幸せなゴールデンになるのです。決して愛情を穏やかさを失わなかったからこそ、ロイが得ることができた幸せだったのでしょう。

 こんな話がたくさん出てきます。「犬物語」"Favourite Dog Stories"、「猫物語」"Cat Stories" 「Dr.ヘリオットのおかしな体験」"All Things Wise and Wonderful"などなどがあります。ハートウォーミングでしかも泣ける話が満載です。たまに、立ち止まってみてはいかがでしょうか?

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