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2009年8月23日 (日)

おもしろあぶない人

 おもしろあぶない人っていますよね。なかなか近寄りがたいんだけどね。でも、なかなか興味深い。あぶないって言っては失礼だけど、まず一人目は北尾トロさん。

 「危ないお仕事!」 皆さん、私立探偵なんて普段おつきあいないでしょ?どんな仕事しているか知っています?TVドラマとか海外ミステリーの探偵と違って、日本の現実の探偵は刑事事件なんて捜査しないんですよ~~ というわけで、北尾さん、探偵事務所に密着取材。まあ、浮気調査なんですけれどね。でもね、すごいのですよ。ちゃんとターゲットの下見とか、車はばれないようレンタカー利用とか、撒かれないようにチームで動くとか。大切なのは写真なので、いかにうまく写真をとるかとか・・・北尾さん、ありがとう。だって、そんな仕事の状況、めったに知ることできないでしょう。あとは万引きバスターとか、ちょっと大きな声では言えない人形を作る人の話とか・・・・ 皆さんね、こだわりがあるのですよ。プロなんです、プロ。へ~って感心しますよ。ただ、電車の中で読んでいたのだけれど、時折マンガが入っているので、ちょっと大きな声で言えないお仕事系の話のところでは、周りの視線が気になった。

 そして、「裁判長!これで執行猶予は甘くないすか」 同じく北尾さんです。「危ないお仕事!」でもちらっと裁判傍聴記がありましたが、これはまさしく裁判傍聴記録です。この前に「裁判長!ここは懲役4年でどうですか」が出されていて、その続編です。大きな事件よりも小さな事件の方が、「人間性」がでるらしく、それが面白い。被告が罪を認めているのだけれど、減刑を求める時の涙の見苦しさとかね。他には数年前にあった東京駅構内のコンビニ店長の殺人事件。一審で懲役15年と判決が出たものを、検察が不服として控訴。でも、事件発生時には有名だったこの事件も、この裁判の時には誰も気にしていない。しかし、北尾さんの注目は証人として出た被害者のお父さん。感情的になるでもなく、でも被告人を許せない気持ちがきちんと伝わってくる。座りなさいといわれて「被告人と同じ目線に並びたくないので立って証言します。」

 「え~っ?」という話から、ちょっといい話、「う~ん」と考えさせられる話、満載です。北尾さん、なかなかやる!ただ、残念なのは、北尾さんの師匠でもある裁判傍聴マニアの一人のダンディ氏が、亡くなってしまったかもしれないことが、最後に発覚すること。他のマニアの人たちは、北尾さんがダンディ氏と親しかったので、言い出しにくかったらしい。悲しいですね。

 さて、もう一人。大原広軌さん。何の気なしに買ったのです。「精神科に行こう!」 自分がそろそろ精神的に危ない!と思ったわけではないのだけれど、何かね。立ち読みしたら面白そうだったのです。まあ、自分は今のところ大丈夫だけど、最近、周りに増えてきているしなあ、鬱になってしまう人とか。で、買っちゃいました。大原さんは、パニック障害って病気になってしまうのです。突然、動悸、めまい、手足の震えと大変なことになり、救急車を呼ぶのですが、病院に着くとパタッと直ってしまい、検査しても何も異常はない。悲しいかな、救急病院のお医者さんは、多分、精神科系の病気のことは知らないのか、結びつけられなかったのか、冷たい、冷たい!結局、紆余曲折の末、ある精神科で薬を処方してもらい、ようやく治まる。なあ~んだ、薬で治まるなら、もっと早く来るんだったってことです。なので、皆、精神科に行きましょう!と。

 でも表現が明るいです。そして、大原さんの「パニック障害」の表現が良い。「ナニガシ」がずっと、大原さんを左後方から狙っているのです。大原さんはずっと「ナニガシ」の気配を感じていて、酒なんか飲んだくれて気を紛らすらしいのですが、油断していると「ナニガシ」が不意にやってきて、動悸、震え、めまい、そして「ワルキューレの騎行」が頭の中を鳴り響く~!!そりゃあ、パニックですよね。(でも、こういう時に酒に逃げるのはダメらしいですよ!!)

 さらに、偶然に発見した「大原さんちのダンナさん」 これは、大原さんと結婚した由軌子さんが描いたコミックエッセイです。最初は気づかなかったのだけれど、あら、これはあの「精神科に行こう!」の人のことだ。で、「精神科に行こう!」では表現されていなかった広軌さんの変なところが、ばんばん出てきます。外出時には帽子を目深にかぶって、マスクをする。視線恐怖症で対人恐怖症なんですって。知らない人と視線を合わせたくない。そして、知らない人に表情を読まれたくない。でも、子どもは大好きで、いつの間にか同じ目線で遊んでいる。「パニック障害」になっちゃったので、編集の仕事を辞めてしまい。無職なんだけれど、何故かいろいろな飲み屋では大人気で、知らない人ともすぐ意気投合。そして、何故だか奢られたり、さらには図書券で支払いさせてもらったり。。。

 しかも!料理好きで料理上手。病的なまでのキレイ好き。でも、重度なまでの心配性。外出時にも、戸締り、ガスの元栓締め、何度も何度も確認しないと出かけられない。いざ出かけても、戻って確認するという有様。由軌子さんは、解決方法を友人から教わる。携帯で証拠写真を撮るという方法。由軌子さんは前向きです。ダンナさんの神経症を否定しない。それも含めてダンナさんの個性と受け止め、ダンナさんに家事をやってもらい、自分は働いている。時々、夜遊びが過ぎる!とダンナさんを怒りながらも、なのにたくましく飲みに行ってしまうダンナさん。神経症なのに何故かたくましいダンナさん。

 大原夫妻!あなたたち、どちらもスゴイです!ステキですね。

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