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2009年8月14日 (金)

そうだったのね、池上さん

 会社にいたら、大通公園のこども盆踊りの音楽が聞こえてきた。いいね~~やはり、そういうの大切よね。もはや、踊れないのだけれどさ、盆踊り。浴衣も一人で着られないしなあ。もちろん、着物も着れない。大人になったらやりたいこと、着付けと書道。うん?いつ大人になるの?って。さあ、あと15~20年後くらいかな。

 さて、週刊こどもニュースを知っているだろうか?NHKの番組。そこでお父さん役をやっていたのが、池上彰さん。

 池上さんはステキです。だって、難しいことをやさしいことばで説明してくれるから。いや、世の中の出来事をやさしい言葉で説明してくれる。大抵の人は、難しい言葉で事実を煙にまく。実は、本当には理解できていないから。だれにでもわかるやさしい言葉で、物事を説明できるということは、その人が真にその事柄を理解しているということ。池上さんは、そういう数少ない人だと思います。

 で、そうだったのか!シリーズ。最近、「そうだったのか!アメリカ」が出ましたが、今日は、「そうだったのか!日本現代史」、これですね。

 池上さんは、時系列にいろいろなことを説明するのではなく、あるテーマ毎に時代を追って説明してくれます。いかにわかりやすいかを全部説明したい!が、それは読んでもらった方がよっぽど良いので、印象に残ったことを。

  第10章で「公害」について、語られます。そして、それを読んで愕然とするのが、いかに企業と政府と官僚が、「経済成長」を重視するあまり、多くの犠牲に目をつぶってきたか。そして、それは企業に勤める普通の人たちがその犠牲に目をつぶってきたのです。決して、企業のエライ人たちだけでも、政治家たちだけでも、官僚たちだけでもない。普通の人たちが、自分の会社を守るために、「イタイイタイ病」や「水俣病」の発生原因に目をつぶった。そして、それをなんと組合が支えた。

 実は第6章で組合について語られます。主に炭鉱会社の組合が話の中心です。私もよく知りませんが、有名なのは三池闘争。ちょうど石炭から石油へというエネルギー革命の時代。会社は組合活動を抑えようとし、組合は負けまいとする。ついに組合活動がエスカレートしていった結果、組合が分裂してしまいます。過激な組合に対し、もう少し現実的な組合ができ、それを会社経営陣が支援する。さらには、その組合間で殺人にまで発展する。結局、過激な元々の組合はなくなってしまい、そこに所属していた人たちは、次の就職もない。そして、もっと悲劇が起こります。三池工業所のある鉱山の爆発。死者458名、重軽傷者555名という悲劇でした。これは、実は人災とも言え、日ごろから炭鉱内の清掃をきちんとし、また、炭鉱内を湿らせておけば防げたらしいのです。組合が弱体化した結果ともいえるのかもしれません。時代的に共産主義や社会主義の脅威といわれていた時代だったのでしょうか。組合のイデオロギーについていけない人もいたのでしょう。今は組合活動は弱体化。それが良いのか悪いのか、よくわかりません。でも、エスカレートすることは良くない。まるで、日本赤軍派のように、お互いに殺しあう。正直言って理解しにくい。自分がその中にいたら、同じようになってしまうのだろうか?

 第10章では、昔は良かったというおじさんたちに言ってあげたい。どこが?どんなに苦しむ人が目の前にいても、会社のためといって真実を伏せることが?経済成長最優先とばかりに、その他のことに目をつぶることが?それが良かったとでも言うのか?中国の粉ミルクに危険な物質が混入していたことを、マスコミはずいぶん叩いていたが、おんなじことやっていただろう!他者を批判できますか?ようやく、日本もコンプライアンスにも目がいくようになった。光化学スモッグは今は無い。代わりに花粉症はあるようだが・・・

 最後に印象的だったのが、自民党について語られていた言葉。自民党とは理念を求めるのではなく、与党であることに価値を求める政党である。池上さんの言葉ではなく、田中秀征という人の言葉ですが。まさにね。とても納得です。自民党がこれからどういう手を打ってくるのか、見ものです。そして、社会党は総理大臣を出すことで、自らの破滅を招いた。さて、民主党はその反省を生かしきれるのでしょうか? 

 そういうわけで深いです、池上さん。全国の小中学校の先生、推薦図書にお薦めしますよ。そして、大人も読みましょう。子どもたちに説明できないってことは、自分がそのことを真に理解していないってことです。さあ、みんな反省しましょう。

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