5連休後
5連休は寝た!ひたすらに寝た!初日はもしかすると22時間寝たと、仕事仲間に話をしたら、「若いですね~」と言われた。「寝るのにも体力いるでしょ」と。う~ん、はたして喜んでいいのか?
さて、「悪魔はすぐそこに」”Devil at Your Elbou” D.M. ディヴァイン作のご紹介。それにしても、創元推理文庫だけど、940円だよ~高いなあ。410ページくらい。むかしならなあ、と言っても30年くらい前だが、480円くらいだよ。15年前で600円くらいかな。ちょっと上がり過ぎなんじゃないの?洋書並みの値段なんだよなあ、翻訳ミステリー。なんとかならんのか?
と、少々脱線したが、「悪魔はすぐそこに」です。
これもね、割と、意地悪なミステリー。クリスチアナ・ブラント的な感じかな。クリスチアナ・ブラントほどは底意地は悪くないが、でも、一見正常だけれど、実は問題のある人物を描くのがうまい。そして、ミステリーなのだけれど、登場人物の葛藤、いかにも普通の葛藤を描く。そんなに深くはないが、感情移入はしやすい。そして、意外な犯人・・・というのがなかなか。意外と言っても、すご~っく意外なのではない。クリスチアナ・ブラントの「はなれわざ」ほどではない。~「はなれわざ」は本当に意外です。大どんでん返し、そんなバカな、なんだけれど、でも、参りました!ブラントさん、ファンです!って感じ~ ディヴァインはそこまではいかない。でも、何故か殺人の調査をすることになってしまう主人公が、犯人に気づいた時、逆に犯人から追い詰められる。このシーンは結構圧巻。そして、意外な犯人の位置づけがうまい。
主人公といえるのは、事実上、この謎解きをするカレン・ウェストールだと思うのだけれど、必ずしもカレンの視点だけで、話が進行しないのが、ディヴァインの特長かもしれない。だから、それぞれの登場人物の葛藤が見え、感情移入しやすい。このミステリーの問題人物であるすでに故人の大学教授のデズモンド・グリームを中心に、次の4人の視点でストーリーは展開する。デズモンドの息子のピーター・グリーム。そのフィアンセであるルシール・プロヴァン。二人とも同じ大学の講師。そのルームメイトでもあり、大学事務職員のカレン。そして、この大学の良心の守り手と言わしめる法学部長のグレアム・ラウドン。どの4人にも感情移入はしやすい。ただ、よく読みこんでいくと、もしかすると犯人はわかるかな?私はかなりぎりぎりまでわからなかったけれど。
読み応えは保証できます。味わうためにすぐに読み返したくらいです。
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