いやいや、びっくりしたわ。うちの母親が脚立から落ちて肋骨骨折!しかも4本。東京にいたのだが、あわてて帰ってきちゃった。窓拭きしていたらしいが、もう、脚立禁止!!
後は、小沢さんね~~~どうしても引っ込んでいられないのね。亀ちゃんとね。人気ないし、考え方が支持されていないのが、わからないのかなあ?宮内庁との問題にしても、まあ、それぞれの立場はわかるよね、でも、宮内庁長官に、辞任してから反対意見を言えというのは、おかしいだろう。反対意見が言えないようでは終わりだ。天皇の政治利用だと警鐘を鳴らす人も必要なはず。もちろん、それぞれの立場で、それぞれの言い分があるのだから、ちゃんと意見は戦わせるべきだろう。天皇の職務内容だって見直すきっかけになるだろう。(行事多すぎだよ。)
亀ちゃんね~~~何で、あの人を金融・郵政担当大臣にしたのかな。まあ、旧タイプだこと。勘弁してくれ、お金はないのだ。そして、あんたが死んだ後も、生きていく人たちはたくさんいるし、年金だって介護だってうまくいっていないのだよ、目先だけでなく、10年20年後を見据えてくれよ。じゃなきゃ、政治家やめてくれ。
と、本当は「コーネル・ウールリッチの生涯」 フランシス・M ・ネヴィンズ・ジュニアについて語ろうと思ったのよね。4年前かな、出ていたのをみて、喜んで買った。ハードカバーで上下2巻で6,000円近かったが、ちょうど結構出張でANAのマイルがたまっていて、edyで購入。ウールリッチを語るのは、フランシス・M・ネヴィンズ・ジュニアしかいないと思っていた。
ただ、意外と難しかった。ので、上は読み、下の途中で挫折していた。で、思い立って読み返しましたよ。まだ、全部は読み終わっていないが、思ったのは、なかなか手厳しいよ、フランシス!!辛口なコメントだった。ウールリッチは全然派手な生き方はせず、一度は結婚経験があるものの、あっという間に終わり、同性愛者でもあったらしい。結局は母親と一緒にホテル住まい。ウールリッチがどう生きたのかとか、何を考えていたのかなどなどはあまりわからず、どちらかというと書評が中心な内容。そして、作家にはありがちであるが、後半は書けなくなってしまったウールリッチについてや、作品としての質が下がってしまったことを淡々と厳しく書いている。
確かに、ミステリーとしては、どれもこれも考え抜かれたロジックでも、トリックでもない。たぶん、本格派からすれば「?」という感じ。しかし、圧倒的な追い詰められ方の記述。場合によっては、犯人と目され、追い詰められ、時間との戦いの元に無実を証明するために奔走する。または、愛する恋人、もしくは妻が突然消え去る。なのに、周りが最初からそんな人はいなかったと・・・誰に聞いても、見たことない、聞いたことない、そんな人いましたっけ?なんという孤独感、なんという絶望。それを描ききる。
それに小学生であった私ですら惚れた。「黒衣の花嫁」、「暁の死線」、「黒いカーテン」、「幻の女」。どれも子ども向けに改版されたものだったので、短い長編である「黒いカーテン」以外はいくつかのエピソードがカットされていた。「黒いカーテン」も主人公を助けてくれた女性が、何故か男の子に変わっていたが・・・中学生になって、ちゃんとハヤカワミステリ文庫や創元推理文庫で読んだとき、夢中になった。そして、買い込んだ。短編集から長編まで・・・
ただ、フランシスは厳しい。「聖アンセルムホテル923号室」。私はこれについて、本当は卒論を書きたかった。(ミステリー作家はコナン・ドイルでさえ卒論でテーマとして扱われていないよと、担当教官に言われあきらめたが)でも、フランシスはそれほど評価していない。「目覚めずして死なば」や「じっと見ている目」という短編も私は結構好きだが、これまた厳しい評価。ただ、追い詰め感やサスペンスを盛り上げるために”不条理”を利用することのあるウールリッチであるが、それがエスカレートし、オカルト調になるのは無理だったな。「死はわが踊り手」とか、「夜は千の目を持つ」などね。それでも「夜は千の目を持つ」は評価を受けているようであるが・・・
作家というのは難しいのだと思う。あの華麗な筆致であった、あのサスペンスを描ききったウールリッチでさえ、晩年は全く書けなかった。エラリー・クイーンの片割れであるフレドリック・ダネイの依頼で新作短編をといわれても、過去に書いた短編の焼き直しに過ぎなかった。元々が同じテーマ、モチーフを使う作家ではあったが・・・そして、どんどんあまりにも不条理だけになり、不条理を補うことができなくなる。おそらく、ずっと書き続けられる作家は少ないのであろう。最盛期は一瞬なのかもしれない。特に、ウールリッチには本人が孤独なだけに、哀愁を感じる。もの悲しさすら。
でも、確かにサスペンスの巨匠であったのだ。多くの推理作家が惚れ込んだ。日本に紹介したのは江戸川乱歩であった。どんなに騙されても、多くの編集者が新作短編をと依頼せざるを得なかった。それだけ魅力のあるサスペンスだったのだ。ウールリッチが亡くなったのは1968年。私はその時3歳であった。