甲子園
伊良部が亡くなってしまいましたね。結構、ふてぶてしい感のあった彼でしたが、何かあったのでしょうか?自由奔放な人のような気がしていたので、アメリカの方が合うのかなあと思っていましたが・・・残念です。
「甲子園が割れた日」中村計さんが書いた、甲子園で松井秀喜が5敬遠されたあの有名な一件のルポです。
でもね、1992年の出来事なんだよなあ・・・忘れやすい世間はもう忘れているし、知らない人もいるだろうなあ。意外と淡々読んでしまった。あと少々気になるこの表現。四国の強豪で勝たなければいけない明徳と、石川では強豪だけれど、甲子園優勝経験のない星陵の比較。星陵は監督がやさしいし、選手にも勝負へのこだわりが無いらしい。だから石川県には優勝旗が届かない。一方、明徳は私立だし、監督は勝つことを義務つけられているらしい。う~ん?でもさ、地元民ですら絶対に甲子園の優勝旗は津軽海峡を渡ることはないだろうと思っていた、駒澤苫小牧は3連続決勝進出し、2回も優勝したぞ。悪かったな・・・いやいや、違った。そういう話ではなかった。
結局、勝つためには5敬遠もありだよね~って、話なのかな。プロじゃないし、魅せる必要はないのだから。そして、言っちゃあ悪いが、このときの明徳は松井と真剣勝負できるピッチャーはいなくて、そんな強いチームじゃなかったってことだ。たぶん、PLとか、横浜高校ならそういう手も使わなかったんじゃないかな。
だがしかし、本当の意味で強くなくっちゃ勝たないんだよね。一時的に5敬遠で松井のいる星陵には勝てても、優勝はしないんだよ。まったくもって話は飛ぶが、昔の日本のバレーボールは強かった。回転レシーブとか、一人時間差とか、日本発案の技があってね、たぶん、体格差をうめるために頑張ったんだと思うんだ。でも、最近は、すっかりパワーに負けてしまっている。何故そうなってしまったのかはわからないけれど、あの強豪国のスパイク見ていたら、日本の細い体では勝てん!と思ってしまう。
で、何が言いたいかというと、ルール違反じゃないからとか、「勝つ」ことに執着すれば何をやってもいい、ってことでもないんだろうなあと。中村さんは明徳の監督について良い悪いは言っていないし、むしろ、当時の熱い解説者とか、変な精神論は否定している。けれども、素人で、別にその時に高校野球ファンでもなかった私が(私は愛甲とか荒木大輔の時代)、今となって考えると、やはり無理な勝ち方って駄目なんじゃ?ってことかな。その明徳の監督を否定する権利はないが、まだまだ精神的に弱い高校生たちを、結果としてもの凄く精神的に追い込んでしまったことは、きっと彼の中でもわだかまったことでしょう。
まあ、そういうことです。正々堂々とやりましょう!と言いたい訳ではなく、たぶん、松井を何回かは敬遠しなきゃいけない場面はあったでしょう。それを5回しないと勝てなかったってことは、そのチームで優勝は無理ってことですよ。それなのに、そんな犠牲を払う必要があったのかなあ?って、それだけです。意外と、他のチームの監督の方が冷静なのかもよ。だって、所詮高校野球じゃん。高校生たちにとってはそれからの人生の方が長いんだもん。そして、松井にとっては一通過点で、思い出でしかない。だって、その後が本当の彼の野球人生だからね。
って、それを言っちゃあ、おしまいよ。そうかもね。すまん。