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2011年10月15日 (土)

ソフィー

 今朝は9時前に目が覚めた。朝といえないかも・・・だが。で、読んでしまった。ベッドに入ったままで。昨日、通勤途中でちょっと読んで、これはかなりイケル本だと思っていた。でも、昨夜は無性に眠くて、読めず。だから、朝、読んでしまった。

 「ソフィー」"Sophie" ガイ・バート(Guy Burt)

 話は監禁されているらしき女性と、監禁している男の会話から始まる。どうやら、男はマシュー、女はソフィーらしい。そして、話は一気に遡る。子どものころのマシューとソフィーの話である。過去の話はマシューの視点で語られる。そして、現在は監禁されている「わたし」の視点で語られるのだ。過去と現在が交錯して話は進んでいく。

 マティー(マシュー)とソフィーはとても仲の良い姉弟であった。父親はほとんど家におらず、母親は心がここにない。どうやら、別居しているのか?それとも何か事情があるのか?具体的には語られないが、普通でない状態であるのは確かである。けれど、マシューが描き出す幼い時代の二人の生活は、楽しそうであり、しっかりもののソフィーは、あやうげででもかわいい弟のマティーの面倒をみていた。親たちがどうしていようと、彼ら二人には関係なかった。それくらい、二人の世界は確立されていた。

 二人の世界は本当に魅力にあふれていて、マシューの語りにはつい引き込まれる。子ども達には絶対必要な、秘密の場所。二人だけの遊び、ソフィーが書き込んでいる暗号のノート。ソフィーは驚くほど頭が良く、様々な知識を一人で得て、幼いマティーに教えていく。

 だが、時々不思議なことが見え隠れする。何故か、ソフィーは自分の頭の良さを隠そうとする。IQテストを受ける時には、練習を重ねてちょっと賢いくらいの125のスコアが出せるようにする。自分で本を買って試した時には、180であったのに・・・ソフィーは言う。目立たないのが良いのだと。頭が良いと知られると、余計に勉強しないとならないのだと。

 マティーがいじめっ子たちに泣かされた時も、ソフィーは巧みにいじめっ子を排除する。だが、その方法は少し極端に思われる。さらに、二人だけの世界を楽しんでいるはずのソフィーが、他人の目に付きやすい納屋を改造して、隠れ家にする。そして、案の定、二人の少年が登場する。何故、ソフィーはそんなことをしたのか?

 その会話の間、監禁されているソフィーは、どうすれば自分が助かるのか?必死で考える。間違った発言をしてはいけない。マシューは時々問いかけるから。「姉さんはどうして○○したの?」

 そして、ある事実が見えてくる。

 だが、そう、そのままの文章を信じるべきなのか?ソフィーがすべてを終わらせたのか?ソフィーは確かに信じられないほど早熟で、賢かった。だが、二人の世界は何にも代えがたかった。だから、幕を引いたのはソフィーなのか?

 でも、一方でマシューに疑いを持ってしまうのだ。マシューではないのか?文章には書かれていないけれど、マシューが終わらせたのではないのか?どうしても変えたくなくて。二人の世界を崩したくなくて・・・ガイ・バートは巧みにそれをほのめかしているのではないか?

 私は疑ってしまうのだ。そして引き込まれてしまっているのだ。もしかすると、私は物語の中に入り込みすぎているのかもしれないし、結局はまだ読みきれていないのかもしれない。シャッターアイランドのような割り切れなさと、不安を残して話は終わってしまう。だが、私はどこかでわかっている、私の感じ方が正しいのだ。

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