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2011年10月23日 (日)

シャンハイ・ムーン

 久しぶりでした。S.J.ローザン。前回の「冬、そして夜」が2002年。今回の「シャンハイ・ムーン」"The Shanghai Moon"は2009年(アメリカでの出版ですよ、もちろん)。何と7年も経過していました。

 家族が多く、家族にまつわる事件も登場していたリディアに比べ、孤独で過去がありそうでありながら多くを語らないビル。そのビルの初めての家族にまつわる事件であったのが、前作「冬、そして夜」であった。ビルはしばらくリディアからも誰からも姿を消していた様子。ある別の探偵、ジョエルがリディアに協力を依頼するのが、事件の始まり。第二次世界大戦中、上海に逃げたユダヤ人難民にまつわる宝石がこの事件の中心であった。だが、ジョエルが殺され、事件の様子が変わってくる。

 意外とビルが簡単に姿を現すのが、ちょっと拍子抜け。そして、やはり元気が無さそうなのが気になる。(以前のような軽口がないし、リディアを口説かない。また、日本人としては、日本占領下の中国が舞台であることが、文章を読むたび心が痛む。謎解きとしては、過去の手紙や日記で見えてくることがあるのが、少々物足りない。だが、それでもリディアの鋭さ、なにかがおかしいことに気づき、それが真実に近づいていくことがさすが。

 ある意味主人公であるロザリーへの感情移入や、当時の上海にまつわる人々の微妙な感情、S.J.ローザンはすごい人だなと思わされます。ミステリー作家であるが、見事なストーリーテラーだなと。

 ただ、今回は登場人物が多くて、少々混乱しました。即座に2回目読み返したくらいです。でも、読み応え感、たっぷり。10作目が2010年に出ているらしいので、翻訳待っています。

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