わからないよ、橋本さん
割と好きだからさ。というか、「虹のヲルゴオル」が面白かったから、買っちゃった!!橋本治の「美男へのレッスン」。しかも上下。
出だしがね、「女は90%以上が自分は美人ではないと思っている。男の多くは自分を美男だと思っている」とあったのさ。(あ、まずい北海道弁がでっちゃった。最近、職場の人間にこれ指摘されているが、自分では全然気づかないのだ。)だからね、面白いなあと思って買ってみたが・・・
わからん、全然わかんない!「顔のない美男」って結局なんなの?何度も話がいったりきたりするし。。。トニー・カーティスの話が出たり、「パリで一緒に」の映画の話や、アラン・ドロン「太陽がいっぱい」とか、まあ、この辺は多少、映画論的で、さすがに面白い。でも、「美男論」?になっているの~?美男って何?それより、別に美男になることを薦めていないよね。たまに美女との比較もあって、面白いけどさ~~橋本さん、わからんないよ。
でだ、文庫版のあとがきに「『美男へのレッスン』を手に取った人は災難である。やたらに長くて、平気で逸脱していて、強引なまでに一環しているから、なにが書かれているのかよくわからないのである」
確信犯かよ!!しかも、最後に「だったらこんなに長く書かなくたっていいじゃないかと今になって思うが、もう後の祭りである。」と、すましているのである。失敗した。あとがきを先に読むなんて習慣はないのだけど、今回ばかりは先に読めばよかった。
でも、まあいいか。例によって雑学にあふれていて、トニー・カーティスから宮沢りえからアラン・ドロン、石原裕次郎、マイケル・ジャクソンまで、多岐にわたる映画論、タレント論が読めます。給仕について語ったり、雑学も得られます。実際に連載されていたのが1994年。文庫版で加筆されて出たのが2011年と、20年近い隔たりがありますが、過去の人のことは面白い。幼い頃のマイケル・ジャクソンは、家族がいたから差別から守られていたのでは?みたいな仮定には少々違和感だけどね。差別っていうのは、差別されている人にしかわからないことだから、他人には絶対に測ることはできないんじゃない?ちょっとこれは強引。
とはいえ、とにかく盛りだくさんにいろいろなことが書かれている本です。「美男論」に戻そう、戻そうとするのを気にしなければ、「美男」をキーとした、エッセイ本としてそれなりに面白いかも。冗長なところは気にせず読み飛ばすことです。まともな著者なら三分の一にしていると、本人が言っているので。
さて、そろそろ手持ちの本が少なくなってきたな。本屋に行かなきゃね。