またまたディヴァイン
「跡形なく沈む」"SUNK WITHOUT TRACE"D.M.ディヴァインの最新作、じゃないな。これ、1970年代くらいのものだから。創元推理文庫が復刻版をだしてくれいているのだけど、その最新版です。
そういえば、私の中で二大ミステリー出版社が、創元推理文庫とハヤカワミステリ文庫なんだけど、最近、ハヤカワミステリが元気ないんじゃないかな?どうも、買いたいミステリを出してくれいていない。たぶん、ミーハー路線に行っているよな・・・アガサ・クリスティを手を変え品を変えて出し続けるか?映画化のものを出すか・・・だから、最近、ハヤカワミステリ買っていないな。
それは置いておいて、ディヴァインの生前最後作の「跡形なく沈む」なんだけど、う~んって感じ。また同じ繰り返しか・・・と。主人公と思われる、ケンとジュディは、ダメ男とできるいい女で、惹かれあっているけど、素直になれない。しかもケンは自分を思ってくれているわけではないリズと同棲中。これって「5番目のコード」でも使われている背景。心を病んでいる女、ルースがやってきて事件は始まるが、心が病んでいる女も「5番目のコード」に出てくる。
私生児が事件に絡むのも、「ウォリス家の殺人」や「災厄の紳士」でも使われている。ある家族が、悪人二人と善人二人に分けられるのも、「ウォリス家の殺人」と一緒。犯人もある意味「3本の緑の小壜」につながるしなあ・・・
そういうわけで、ちょっと物足りなかった。やはりディヴァインは「兄の殺人者」と「悪魔はすぐそこに」が秀逸かな。「悪魔・・・」は初めて読んだディヴァイン作品でもあったが、意外な犯人で、「兄の・・・」はプロットがよく練られていたと思う。
しかし、ハヤカワミステリさん、ピーター・ラヴゼイとか、パーネル・ホールとかの新しい作品、出してよね。
さてさて、1年でまた大阪から東京へ異動です。またまた引っ越し!折角、今、新築マンションなのに・・・・また、家を探さなきゃ。(ところで、誰に報告しているの?)