シェトランド四重奏が・・・
終わっちゃいましたよ~アン・クリーヴス(Ann Cleeves)のミステリー、「青雷の光る秋」 "BLUE LIGNTNING"で終了してしまった。ラストにあんな哀しみを残して・・・・
正直言うと、まさかそんなラストにするとは、かなり驚きでした。絶対にそんなことにはしないと思っていたのに。でも、もしかするとそうするしかなかったのかもしれない?ジミー・ペレスのキャラクターゆえに?
なので、四重奏、4部作を全部読み返しました。
すべて本格ミステリーなのですが、登場人物の性格、考え方を浮き彫りにして、謎を解決する型をとっています。この4作を通して、ジミー・ペレスが主人公だと思うのですが、1作目「大鴉の啼く冬」"RAVEN BLACK”では、ジミー・ペレスはさほど物語を引っ張りません。彼は、どちらかというと、ストーリーの中に潜んでいます。謎解きが進むにしたがって、ジミーは浮上してきますが、主には殺された少女の友人でいじめられっ子だったサリーの視点で語られます。後は、何年も前に行方不明になった少女を殺したのではと疑われ、皆からさけられている、知的障害のある老人マグナスの視点と、殺された少女の死体を発見したフラン・ハンターの視点です。
読み返した結果、この1作目が一番面白い。意外な犯人と、意外な過去に、意外な動機。さまざまな人間が絡み合い、不可解な心理が殺人を引き起こす。
ジミー・ペレスは、比較的傍観者的な立場だからこそ、謎を解けるのかもしれない。
そして、2作目、3作目と進むにつれ、ジミー・ペレスに焦点が当たっていく。最後の4作目はついに、ジミー・ペレスの出身地、シェトランド諸島でも最も本島から離れたフェア島が舞台となる。ただ、結末が哀しい。どの作品も、哀しいといえば哀しいが・・・
ちなみに、2作目は「白夜に惑う夏」"WHITE NIGHT"、3作目は「野兎を悼む春」"RED BONES"
ただ、どうやら「青雷の光る秋」の続編があるらしいので、それも読みたいなあ。その後のジミー・ペレス。どうなっているのか?