入院体験記その2~骨髄移植体験記(1)
オーリーがご飯を食べなくなった。2,3日前にニャーと珍しく大声でないて、かなりもどした。その後もまた胃液まで吐いてしまった。それから、ご飯を食べない。昨日、病院に連れて行き、年だから腎臓機能が低下していると。今日も日曜日だけれど、診察してもらった。食欲が戻るまでは毎日通院要。でも、もう厳しいかもしれない。グーグーの先代猫のサバと一緒かも。猫は腎不全で亡くなる場合が多いらしい。
さて、昨日の続きだ。そう、2泊3日ではじめての入院を経験した1ヵ月後。手紙が届いていた。
骨髄移植推進事業団からの「重要」、「至急開封してください」とかかれている封筒。そういえば、私は骨髄バンクに登録していた。どうして登録したんですか?とよく聞かれるが、特別な理由があったわけではない。「臓器提供意思表示カード」も持っているし、できることはしようかなというくらい。しかも、骨髄バンクの登録は献血ルームでできるということを知ったので、じゃあ登録しようっと。
しかし!登録しようと献血ルームの人に声をかけたとき、「あっ、失敗した」と思ったのだった。その人は男の人だったが、いかにも面倒くさそうな、しかも上から目線の「役人」って感じであった。「冊子をちゃんと読んできました?」と面倒くさそうにしかもえらそうに聞かれた瞬間、私の天邪鬼モードにスイッチが入った。「冊子ではなくインターネットで・・・・」と言いかけると、それをちゃんと聞かずにその「役人気質男」(公務員の皆様ごめんなさい。「役人気質」って公務員否定ではなく、よくいる杓子定規で自分の仕事の枠を決め込んだ、融通利かない気質の意味です。)は、私の話をさえぎり、「いや、ちゃんと冊子も読んでいないようだと、登録できません。」とのたまった。(なんだ、お前は。私はお前なんかには話はしないぞ!)と心に決めた私は、「わかりました、またきます」と、その日はあきらめ、翌日また行った。次の日応対してくれたのは女性で感じがよく、ビデオなど見せてもらってスムーズに登録は進んだ。ビデオを見たら、血液を採って終了。簡単だった。昨日の「役人気質男」の姿がチラッと見えたが、こちらには出てこなかった。出てきたら、ただじゃおかないからな。
それが、何年前かしら?忘れていたわけではないが、その重要性を主張した封書が届いた時に思ったのは、「おおっ!適合したのか、適合することがあるんだ、どうしよう?」って、ねぇ、どうもこうもないよね、自分で登録しておいてさ。
想像通り、「LHAが適合した患者さんがいる」と、1週間以内にアンケートに答えて送り返してくださいと。アンケートは健康状態とか、まだ提供意思があるかとか、いつくらいなら検査に行けるかとか、詳細に関するものであった。取り急ぎ、すぐ回答した。
その時、実は仕事でちょっとトラブルがあって超多忙だった。アンケートに回答後、コーディネーターから連絡があるということで、自分の個人携帯の番号を伝えておいたが、連日23時すぎないと帰宅できなかったし、なかなか調整ができず。それでもなんとか、骨髄移植についての説明と、検査の日程が決まった。病院の先生もボランティアだそうだが、わかりやすく説明してくれた。私自身が勘違いしていたが、骨髄移植というのは、「手術」するというよりは、規模の大きい「献血」という感じ。骨の中を流れる血をかなり大きな注射器で採血する。で、その骨髄液を移植し、患者さんの血を入れ替えるというようなこと。少々乱暴な表現ですが、そういうことみたいです。別に、メスを入れるわけではなく、腰のあたりにでっかい注射器を2箇所くらいから刺して、血を採るってわけ。
リスクに関しても説明はあったが、ドナーの死亡例は日本ではないし、多少事故はあったが、1%以下だった(この辺のデータは、ちゃんと骨髄バンクに聞いてくださいませ)。その統計をどう取るかはそれぞれの人次第だが、私はリスクが低いと判断した。
適合者は5名くらいはふつういるらしく、そのドナー候補5名の詳細検査結果で、患者さんの担当医がこの人からもらおうと決めるらしい。私は説明聞いた時の先生に、健康だね~良いね~と言われたので(お酒は飲めないし、煙草もすわないから、どう考えても良い「血」のような気がするし)、可能性が高いかなと思っていたら、結局指名された。この時点ではまだ断ることもできるが、家族含めて面談をし、最終同意をすると後戻りはできない。何故かというと、患者さんが準備に入るのだ。準備に入ると患者さんは移植を受けられないと、死ぬしかないということになりかねない。コーディネーターの人は家族の同意が得られるかということをやたら心配していたが、うちの親が反対する可能性はまずないと思っていた。我が家は極めて不干渉な家族である。自分のことは自分で決める。よほどの理由がない限り、自分のことを自分で決めて反対されることはない。だいたい、たとえ反対されても、納得できる反対でない限り、従うこともないし。
その後は手術日の決定と、手術に向けた検査や自己血をとることとなる。実際の移植は説明を受けた病院ではなく、別の病院となった。しかし、実を言うとコーディネーターさんとの関係で、私はちょっとストレスがたまった。私は「コーディネーター」というからには、いろいろと相談に乗ってくれたり、調整をしてくれるのだと思っていたが、実際は彼ら、彼女らは、まずは移植に関してあくまでもドナーの自発的行為であり「押し付け」ではないことを確認すること、検査日の連絡(調整ではないぞ、あれは!)、ドナーの安全についての確認が主な仕事なようだ。どちらかというと、第三者機関なのね。なんていうのだろう?どうも私はそのコーディネーターさんとは合わなかった。
・・・またまた続く・・・・・
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